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「フリースクール」とは?〜学校に行かない選択肢のひとつ〜
近年、日本では「フリースクール」という学校とは異なる選択肢が注目を集めています。これまで、学校に通うことが当たり前とされてきた中で、さまざまな理由から学校に行けない、または行かない子どもたちが増えており、フリースクールはその受け皿の一つとして注目を集めています。
当ページでは、フリースクールの基本的な概要から、選ばれる理由、メリット・デメリット、主なフリースクールの種類について詳しく解説します。
① フリースクールの基本的な概要
フリースクールとは、公立・私立を問わず小学校・中学校・高校以外で、学びや活動の場を提供する民間の教育機関のことです。公立・私立の学校とは異なり、文部科学省の定める学習指導要領に必ずしも従う必要がなく、運営も国や自治体・学校法人ではなくNPO法人やボランティア団体・企業や個人などが運営しており、自由なカリキュラムで学べるのが特徴です。
フリースクールの特徴
- 学習方法の自由度が高い
- 👉 子どもの興味や個性に合わせた学びができる
- 学力向上だけが目的ではない
- 👉 自己肯定感を育むことや社会性を学ぶことも重視
- 出席扱いになるケースもある
- 👉 在籍校との連携が取れれば、通うことで「出席」と認められる場合がある
フリースクールに通う子どもについて
フリースクールには、さまざまな背景を持つ子どもたちが通っています。
- ✔ 学校に行きたくない・行けない不登校の方
- ✔ 発達障害やHSC(Highly Sensitive Child)の特性を持つ方
- ✔ いじめや人間関係のストレスを抱える方
- ✔ 従来の学校教育が合わないと感じる方
フリースクールは、子ども一人ひとりに合った学び方を提供し、学校とは異なる環境での成長を支える場所です。
② フリースクールを選ぶ理由
近年、不登校の児童・生徒数は増加傾向にあります。文部科学省の調査によりますと、小・中学校の不登校児童・生徒数は11年連続で増加し、令和5年度の国公私立の小・中学校の不登校児童・生徒数が約34万6千人、高等学校の不登校生徒数が約6万9千人に達しています。
また、広島県内の令和5年度の不登校児童・生徒数は、国公私立の小・中・高等学校(全日制・定時制)で10,764人に達しています。前年度と比較すると1,634人増加しています。不登校の理由は多岐にわたりますが、主なものとして以下が挙げられます。
学校に行かない理由
- ✔ 友人関係のトラブル(いじめ・孤立など)
- ✔ 学校の環境が合わない(集団行動が苦手、授業についていけない など)
- ✔ 精神的な不調(うつ・不安・適応障害 など)
- ✔ 家庭の事情(親の考え、家庭環境の変化 など)
学校に行かないことは、決して「怠け」ではありません。多くの子どもたちは、学校に行きたくても行けない状況に置かれています。フリースクールは、そんな子どもたちにとって安心できる居場所となり、自己肯定感を取り戻す場となるのです。
資料:令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)
資料:令和5年度の広島県における生徒指導上の諸課題の現状についてー不登校の現状ー
③ フリースクールのメリット・デメリット
フリースクールには多くのメリットがありますが、一方で学校とは異なる点もあります。ここでは、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
フリースクールのメリット
- 子どもに合った学び方ができる
- 👉 フリースクールでは、子どもの興味や個性に合わせたカリキュラムを組むことができます。例えば、好きな分野を深掘りしたり、クリエイティブな活動に力を入れたりすることも可能です。
- 少人数制で安心して過ごせる
- 👉 多くのフリースクールは少人数制を採用しており、子ども一人ひとりに寄り添ったサポートを提供します。学校のような大人数のクラスが苦手な方でも、安心して過ごせます。
- 自己肯定感が高まりやすい
- 👉 学校での学習が苦手でも、フリースクールでは得意なことを伸ばせる環境があります。成功体験を積むことで、自信を取り戻すきっかけになります。
- 社会復帰のきっかけになる
- 👉 フリースクールでは、学校に戻ることを目標とする場合もあれば、そのまま新しい進路を見つけるケースもあります。人を避けて家に引きこもるよりは、外の世界と関わる機会を持つことができるため、社会復帰の第一歩となることが多いです。
フリースクールのデメリット
- 費用がかかる
- 👉 公立の学校とは異なり、フリースクールは基本的に私設のため、月額費用が発生します。費用はスクールによって異なりますが、月3万円〜10万円ほどかかることが一般的です。
- 進学・就職に不安が残ることも
- 👉 フリースクールによっては、高校受験や大学進学に向けた学習支援を行っていない場合があります。将来的にどのような進路を考えているのかを見据えて、適切なスクールを選ぶことが重要です。
④ 主なフリースクールの種類
フリースクールによっては、高校受験や大学進学に向けた学習支援を行っていない場合があります。将来的にどのような進路を考えているのかを見据えて、適切なスクールを選ぶことが重要です。
オルタナティブスクール型
- 特徴
-
👉 既存の学校とは異なる独自の教育方針を持つ
👉 自由なカリキュラムで学べる
👉 生徒の自主性や探究心を重視
- 代表的な例
-
👉 シュタイナー教育(感性や創造性を大切にする教育法)
👉 モンテッソーリ教育(子どもの自主性を尊重し、個別に成長を促す)
👉 サドベリー教育(子どもが学びたいことを自ら決めるスタイル)
- 向いている
タイプ
-
👉 既存の学校教育に馴染めない方
👉 自分のペースで学びたい方
👉 興味・関心に基づいた学びをしたい方
学習支援型(進学向け)
- 特徴
-
👉 学校の授業についていけない子どもの学習サポートを重視
👉 高校・大学受験対策ができる
👉 通信制高校や高認試験(高等学校卒業程度認定試験)と連携する場合もある
- 代表的な例
-
👉 学習塾型フリースクール(個別指導塾のような形態)
👉 信制高校サポート校(通信制高校の学習をサポート)
- 向いている
タイプ
-
👉 学校の勉強についていけない方
👉 高校・大学進学を考えている方
👉 将来的に学歴を取得したい方
カウンセリング・居場所型
- 特徴
-
👉 学習よりも「安心できる環境の提供」を重視
👉 ストレスを抱えた子どもがリラックスできる場
👉 カウンセリングや心理的サポートを行う
- 代表的な例
-
👉 不登校支援センター(心理カウンセリングや親子相談を実施)
👉 居場所型フリースクール(ゲームや創作活動を通じて社会性を育む)
- 向いている
タイプ
-
👉 いじめやストレスで学校に行けなくなった方
👉 学習よりも心のケアが必要な方
👉 自分のペースで安心できる場所を探している方
体験・アクティブ型
- 特徴
-
👉 勉強よりも実践的な体験を重視
👉 野外活動やものづくり、アートなどのプログラムが豊富
👉 子どもが好きな活動を通じて成長できる
- 代表的な例
-
👉 自然体験型フリースクール(キャンプや農業体験など)
👉 アート・クリエイティブ型(絵画、音楽、デザインなどの創作活動中心)
- 向いている
タイプ
-
👉 机に向かって勉強するのが苦手な方
👉 身体を動かしながら学ぶ方が好きな方
👉 好きなことを追求したい方
オンライン型
- 特徴
-
👉 ネット環境があればどこでも学習可能
👉 自宅で学びながら、全国の子どもと交流できる
👉 不登校でも人とつながる機会を持てる
- 代表的な例
-
👉 オンライン授業型(ZoomやYouTubeなどを活用)
👉 バーチャル空間型(VRやメタバースを利用)
- 向いている
タイプ
-
👉 外出が難しい方 (体調不良・引きこもりなど)
👉 通学が負担に感じる方
👉 自分のペースで学びたい方
フリースクールには、学習に特化したものから、心のケアを重視するもの、実践的な活動を提供するものまで、さまざまな種類があります。
選ぶポイントとしましては、以下の項目が考えられます。
- ✔ 子どもの性格や興味に合っているか
- ✔ 目的に合ったサポートが受けられるか(学習、心理支援、体験型など)
- ✔ 通学型かオンライン型か
フリースクールを選ぶ際は、児童・生徒に合った環境かどうかを確認することが大切です。
「G to F」と
一般的な「フリースクール」の
違いについて
フリースクールには様々な種類が存在し、学校以外から進学を目指したり、自宅以外の居場所を提供したりと、様々な形で学校に行けない・行きたくない児童・生徒を支援しています。
可能性をカタチにするために
能力開発スクール「G to F」は、これまで、代表の小田原が教員および不登校支援センターパルク(広島市南区)で指導者として活動を行ってきました中で、不登校の子どもたちが持つ問題点や優れている点、そして能力を生かす可能性を見つけることができ、そうした可能性をカタチにするために、当スクールを創業しました。
カウンセリング伴走型の能力開発スクール
不登校の子どもたちの中には、もともと持っている能力は高く、特定の分野で突出している「ギフテッド」と思わしき子どもが多いことがわかってきました。
しかし、不登校の子どもたちの能力を引き出すには、興味があることを提示するだけではなく、カウンセリングを通して、自分の得意不得意を知り、コース修了までメンタル的なサポートを適宜行いながら、不登校の子どもたちにあったカリキュラムを提供することが必要であると考えています。
そこで、特定の分野だけ大人を驚かせるほど詳しいが、苦手な物が多く何をやっても続かない、同年代の人と話が合わずコミュニケーションが苦手といった、「ギフテッド」の特長を持ち、不登校やひきこもりとなり「自分の道を見失っている」、そう感じている方に対し、居場所や心のケアとして不登校支援の経験がある公認心理師が常駐し、カウンセリングを行いながら技術習得やコミュニケーションを磨いていく、「カウンセリング伴走型」の能力開発スクール「G to F」が誕生しました。
ギフテッドとデジタル人材
不登校の子ども達と接する中で、デジタル分野で一部特定の能力を持っている「ギフテッド」と思わしき子どもが多くみられ、デジタル分野における不登校の子ども達の適性を感じると共に、社会からの需要、中でもデジタル人材に対する社会からの需要は年々高まっており、デジタル分野に適正と需要を感じています。
そこで、不登校やひきこもりの方の適性が高く需要も高い「デジタル人材」としての能力を磨くことで、「自分の道を見つけ、進むための自信」を身につけることを目指します。
企業や大学教授と共同でカリキュラム開発
「G to F」の特長でもあるカリキュラムについては、社会に出た時に役立つスキルを身につけることが、不登校やひきこもりの方の助けになることから、「今を反映した、実際に役立つ実用性の高い学習内容」をご提供するために、デジタル分野の一線で活躍する企業や大学教授と共同でカリキュラム開発を行いました。
そのまま実社会に出ても役に立つものを中心に、様々な興味関心に対応できるよう複数のコースを開設し、個性や才能を職能に昇華できるように作られています。
スクール内にはキャリアコンサルタントの有資格者も常駐しており、どういった先に進むかについてもご相談いただけます。
対面学習の重要性
また、「G to F」がこだわっているところに、オンラインや通信学習ではなく「対面学習」を行うことが挙げられます。ここにこだわった理由は、不登校やひきこもりの方が抱える「コミュニケーションへの不安や経験不足」があるからです。
それらを克服するため、学習の中で「社会に出て仕事をする際に必要なコミュニケーション活動」を取り入れています。もちろん、不登校やひきこもりの方が参加しやすいよう、大人数制ではなく少人数制のクラス構成とし、プレッシャーを緩和するように配慮しています。
学校と違うのは、周りにいるのは同じ悩みを抱えた同士と呼べる仲間達。だからこそ、焦らずじっくりと向き合いながら、皆で克服していけると確信しています。
能力開発スクール「G to F」
- 特徴
-
👉 ギフテッドにフォーカスした環境
👉 公認心理師によるカウンセリングを実施
👉 キャリアコンサルタントによるサポートを実施
👉 公認心理師・キャリアコンサルタントが常駐
👉 少人数制クラスの落ち着いた環境
👉 積上げ式ではなくい1講座完結型
👉 企業や大学教授と共同開発した実践的カリキュラム
社会復帰のリハビリやトレーニングをしながら、社会で実際に役立つ実践的なスキルを習得できる、能力開発スクール「G to F」についての詳しい情報は下記のリンクをご覧下さい。