ひきこもりと不登校は、どちらも「社会との接点が少なくなる状態」として似ているように見えますが、背景や状態、支援のアプローチが異なります。以下にわかりやすくまとめます。
🌱 不登校とは

学校に行かない・行けない状態を指します。
文部科学省では、「年間30日以上、病気や経済的な理由を除いて登校していない子ども」と定義されています。
主な特徴
- 対象:小中高生などの就学年齢の子ども
- 主な場:学校
- 背景にあるもの:友人関係のトラブル、先生との関係、学業不振、過度な緊張、不安など
- 家の外には出られることもある(習い事や友達と遊ぶなど)
🕊 ひきこもりとは

仕事・学校などの社会参加をせず、家庭にとどまり続ける状態を指します。
厚生労働省では「おおむね6か月以上、自宅にひきこもって社会参加しない状態」と定義されています。
主な特徴
- 対象:思春期以降〜中高年までの幅広い年齢層
- 主な場:家庭全般
- 背景にあるもの:就職失敗、社会的孤立、精神的な負担、病気、対人恐怖など
- 家族以外との関係が途絶えていることが多い
- 外出そのものが困難な場合もある
📌 共通点と違いのまとめ

項目 | 不登校 | ひきこもり |
年齢層 | 主に小・中・高校生 | 思春期〜中高年まで |
状態 | 学校に行かない | 社会参加全般から離れる |
外出の有無 | できる人も多い | ほとんどできない人も多い |
主な課題 | 教育的な支援が必要 | 社会的・心理的支援が必要 |
支援の窓口 | 学校、教育委員会、スクールカウンセラー | 保健所、福祉施設、相談機関 |
🎗補足
不登校の状態が長く続き、十分な支援を受けられないまま成長した場合、そのまま「ひきこもり」状態に移行することもあります。
だからこそ、早い段階からの丁寧な支援や、本人・家族に寄り添う姿勢がとても大切です。
対処法

不登校には不登校の対処法があります。不登校は学齢期に起きることから,可塑性があります。不登校になってしまったときは,将来の道が閉ざされたと感じてしまいがちですが,不登校から社会へ出ていく人は多く,不登校からそのままひきこもりになる例はごくまれです。そのため,まず,焦らないことが大切です。このままひきこもりになることを恐れるあまり,学校へ行くことだけを目的にしてしまい,子どもの気持ちや,乗り越えるべき課題に目を向けることが難しくなる傾向があります。
まず,立ち止まって,不登校という寄り道を受け止め,ここで得る大切な経験を糧にするという前向きなとらえが必要になります。
しかし,これを一人で乗り越えるにはハードルが高すぎます。できるだけ専門家に相談して周囲の大人の価値観,不登校という現象のとらえ方をともに考えていく伴走支援を活用しましょう。
ひきこもりに対しては,対応が異なります。周囲の環境調整だけではアプローチが難しく,当事者も社会に出ていく意欲や自信を失っていることが多いからです。まずは,心を健康にし,何かしら意欲がわく状態になることが第一です。そのため,医療受診も効果があることが多いです。またひきこもり支援の団体は以前に比べて多くなってきています。当事者にあった環境を見つけていくことが大切です。それをコーディネートしてくれる専門家に相談してみましょう。
不登校支援センターパルク
不登校支援センター「パルク」では,不登校になった小学生の居場所をつくり,そこで個に応じた学習支援や体験活動を中心としたカリキュラムを行うことで「心の元気」を回復させ,学校復帰することを目標としています。何年かかっても「心の元気」を取り戻せば子どもは学校という社会へ戻っていきます。じっくり子どもに向き合い,一人でも多くの子どもたちが自分の「キラリ☆」を見つけ,元気になっていくことを願って設立された民間型教育支援センターです。
2022年9月に設立し、企業やボランティアなどと一緒に活動する体験活動や、自分のペースに合わせた個別学習、コミュニケーション力をつける小グループ学習など、独自開発のカリキュラムを展開し、実績を上げています。2024年度は利用者17名、そのうち学校復帰は11名となっています。教職経験36年の公認心理師により、子ども一人ひとりに応じたサポートを行います。さらに保護者カウンセリングも行うことで成果をあげています。
能力開発スクール G to F
好きなこと・得意なこと「だけ」を学びながら、個性や才能を職能へ|能力開発スクール G to F|広島市
能力開発スクールG to Fは、社会で使えるスキルを学習しながら、自分の個性や才能を職能へつなげることを目的とした能力開発スクールです。ここでは、公認心理師が常駐し、メンタルサポートを受けながら受講できるため、自分の才能を一緒に見つけることができます。さらに、キャリアコンサルタントも常駐し、自分にあった職業をさがすことができます。不登校やひきこもりなど、学校や社会で適応が難しかった経験をもつ方でも安心して受講できるように、月2回(土曜日)のみ全6回の実施で、休んでも途中からでも安心して受講できるカリキュラムとなっています。コース内容も、今社会で必要とされているスキルを第一線で活躍している講師陣が指導します。
【コース一覧】
- Rejouiと共同開発
データサイエンス(BASIC)コース
データサイエンス(ADVANCED)コース
- 株式会社CodeFoxと共同開発
AI活用基礎コース
- 合同会社Geneleafと共同開発
Pythonコース
- Spica Ayuと共同開発
デザイン創造コース
- 広島工業大学・松本教授と共同開発
コンテスト参加コース